「美味しい肉には、豊かな表情がある」と著名な料理人の方が話しているのを聞いたことがあります。農場で育成された豚の肉は、農場で働いている人たちの豚に対する愛情の深さや、丹精こめて育てる情熱が質や美味しさを決めるとも語っていました。届けられた食材である豚肉が語りかけてくる事に耳をかたむけて、最善の料理法を考えお客様に提供することが、厨房を預かる料理人の仕事なのだそうです。そんな料理人の方に納得していただける良質な豚肉を、一人でも多くの人たちに味わってもらいたいと、私たちは豚の育成という仕事に取り組んでいます。
豚本来の美味しさを決める、白く甘みのある脂身と歯切れの良い味わい深い赤身の絶妙なマッチングは、健康で元気な豚を育てることで生まれます。緑の多い田園地帯のなかにある、手入れの行き届いた過ごしやすいゆったりとした施設で、のんびりと豚と付き合い見守ることが私たちの基本です。
JAかとり東庄SPF研究会では、定期的に試食会も開き、生産者名を伏せて純粋に豚肉の味を判断します。研究会メンバー12人の他に、取引業者など約40人が参加します。調理法は肉本来の味が分かるしゃぶしゃぶ。皿にごっそりと盛られた豚肉はA・B・C・Dの4種類。におい、歯ざわり、硬さ、さらに味などをアンケート用紙に‥‥。毎回厳しい意見や感想が真剣に寄せられています。
東庄SPF豚研究会の試食会は定期的に開かれる。多様な消費者のニーズに応えるために、毎回、世代や性別の枠を超えて参加者を募り試食会を行い批評を続ける。